医院名 |
---|
オウゼンジセイケイゲカ 王禅寺整形外科 |
院長 |
イズミ ヤスジロウ 泉 康次郎 |
住所 |
〒215-0018 川崎市麻生区王禅寺東3-26-6 王禅寺メディカル2F |
診療科目 |
整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科
|
電話番号 |
044-969-2226 |
整形外科疾患説明コーナー
頚(くび)
頚椎症
加齢により頚椎の椎間板や椎骨が変性し、神経を圧迫する疾患です。首の痛み、肩こり、手のしびれや筋力低下が主な症状です。進行すると歩行障害が起こることもあります。治療は、薬物療法、理学療法、生活指導が中心で、重症の場合は手術が検討されます。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎の椎間板が突出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす疾患です。特に片側の腕や手に症状が現れることが多く、場合によっては手の力が入りにくくなります。保存療法が基本ですが、症状が強い場合は手術が必要です。
頚椎捻挫(むち打ち症)
交通事故やスポーツ外傷などで首が急激に動くことで発生します。首の痛み、頭痛、めまい、肩こりなどがみられます。安静、温熱療法、リハビリが主な治療法です。
頚椎症性脊髄症
首の骨(頚椎)の変形や老化によって脊髄が圧迫される病気です。手足の痛みやしびれが出るだけでなく、指の動きの悪さ、歩きづらさが現れ、進行すると細かい作業や歩行が困難になります。高齢者に多く、症状が進むと手術が必要になることもあります。早めの受診と診断が大切です。 下に書いてありますOPLLや頚椎脊柱管狭窄症でも起こることがあります。
後縦靭帯骨化症(OPLL)
頚椎の後縦靭帯が骨化し、脊髄を圧迫する病気です。進行すると手足のしびれ、筋力低下、歩行困難を引き起こします。軽度なら保存療法を行い、重度の場合は手術が必要になります。
頚椎脊柱管狭窄症
頚椎の脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫される病気です。手足のしびれや筋力低下が主な症状で、進行すると歩行困難になります。保存療法で改善しない場合は手術が検討されます。
いわゆる寝違え
朝起きた時などに突然首が強い痛みで動かせなくなる状態です。多くは、首の後ろの骨の近くにある左右とちらかの筋肉(横突棘筋)の一時的な痙攣によっておこります。痙攣によって上下の頸の骨をつないでいる関節に痛みが出るため、動かせなくなります。この筋肉の痙攣を取るように、左右の筋肉、関節を整えることをリハビリで行うと、多くは1,2回の施術で痛みが軽減します。椎間関節やその周囲に注射を行う時もあります。
神経痛性筋萎縮症
突然の激しい肩や腕の痛みが数日から数週間続き、痛みがやわらいだ後に同じ側の腕の筋力低下や筋肉の萎縮がみられる病気です。原因は不明ですが、免疫異常が関与すると考えられています。多くの場合、数か月から2年ほどで自然回復が見込めます。急性期の激しい痛みには鎮痛薬、神経ブロック、ステロイド投与を行い、機能回復にリハビリを行います。早期発見、治療が機能回復に大切なようですが、予後に関してははっきりした結論が出ていないのが現状のようです。
肩
頚椎由来の痛みを除外することが大切です。
肩関節周囲炎(五十肩)
中年以降に多くみられ、肩の痛みや動かしにくさを引き起こしいる状態で、原因がはっきりしない特定できない場合に、とりあえず使う病名ではあります。原因がはっきりしている場合は、その病態に応じて治療法が違ってきます。
腱板断裂
肩の腱板(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋で構成されます)が部分的または完全に切れる疾患です。肩の痛みや腕を上げるのが困難になることが特徴です。レントゲン検査だけでは診断が困難で、超音波検査やMRI検査で確認します。しかし、50歳以上では多くの人に、変性により、症状が無くても腱板が傷んでいる、無症候性腱板断裂があり、画像だけで確定診断をしてはいけません。ほとんどの症例で保存療法が有効ですが、機能回復が困難な場合は手術が検討されます。
石灰沈着性腱板炎
肩の腱板にカルシウムが沈着し、急激な痛みを引き起こします。特に夜間痛が強いのが特徴です。消炎鎮痛剤、注射、リハビリが治療の基本です。注射による治療が選択する場合が多いです。
凍結肩
50歳くらいの中高年に好発することから、古来から使われる「五十肩」に含まれる病態です。明らかな誘因が無く生じる肩の痛みと拘縮をきたす疾患を「凍結肩」と定義しています。肩関節の動きを滑らかにする膜や関節を包む袋が、炎症により癒着することで生じます。大部分が1から4年くらいの経過で自然治癒します。長期にわたって日常生活に障害がある場合は、麻酔下に徒手的に癒着した膜や袋を剥がしていくサイレントマニピュレーションも治療の選択肢です。
肩鎖関節障害
肩の鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖関節に痛みや変性が生じる疾患です。外傷や加齢が原因となり、肩の上部の痛みが特徴です。保存療法が基本ですが、症状が強い場合は手術が検討されます。
肘
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
肘の外側に痛みが出る疾患で、テニスだけでなく日常生活でも発症します。手首を反らせる動作などで痛みが強くなります。原因は前腕の筋肉や腱の使い過ぎによる炎症です。治療は安静、ストレッチ、湿布、薬、注射、装具などで、改善しない場合は手術を行います。
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
肘の内側が痛くなる疾患で、ゴルフや投球動作などで発症しやすくなります。原因は、手首や指を曲げる筋肉の使い過ぎです。治療は安静、薬物療法、ストレッチやリハビリを行い、難治性の場合は手術を検討します。
肘部管症候群
肘の内側を走る尺骨神経が圧迫され、手のしびれや筋力低下を起こします。小指や薬指のしびれが特徴です。原因は加齢、骨変形、ガングリオンなどさまざまです。治療は保存療法を行い、進行すると手術が必要になります。
変形性肘関節症
加齢や外傷後の変化により、肘関節の軟骨がすり減り、痛みや可動域制限を起こします。重い物を持つなどの動作で痛みが強くなることが特徴です。治療は内服薬やリハビリが中心ですが、進行した場合は手術を行います。
肘離断性骨軟骨炎
成長期の子どもに多い疾患で、肘の骨と軟骨の一部がはがれ、痛みや運動制限を起こします。野球や体操など肘を酷使するスポーツが原因となります。治療は安静・リハビリが中心ですが、進行例では手術が必要になることもあります。
手
ばね指(弾発指)
指の腱が炎症を起こし、動きが悪くなる疾患です。指の付け根が腫れて痛み、曲げ伸ばしの途中で「カクン」と引っかかるのが特徴です。中高年の女性や手をよく使う人に多く見られます。治療は注射やリハビリを行い、改善しない場合は手術を行います。参考値ではありますが、1回の注射で改善する人は50から70%、2回までで改善する人は80から90%というデータがあります。超音波ガイド下で注射を行うと、従来の方法より高い有効性が示されています。
手根管症候群
手のひらの付け根にある手根管という部分で正中神経が圧迫される病気です。親指から薬指までのしびれや痛みが主な症状で、特に夜間や朝方に強くなります。手の使い過ぎを控え、ビタミンB12の内服、夜間に手首を固定するサポーターを付けたりします。手術をしない治療が基本ですが、しびれや痛みだけでなく、筋力低下が進行する場合は早期に手術が必要になります。早期なら手術しない治療で十分効果が期待できますので、早めの治療開始が必要です。高齢の方で放置され、治療が遅れ、治らない症例を時々見かけます。
ドケルバン腱鞘炎 de Querbain病
親指の付け根から手首に痛みや腫れがでる病態で、親指を動かしたり、物を握ったりすると痛みが増します。原因は、親指を動かす腱を包む腱鞘というトンネルが狭くなり、腱がこすれて炎症をおこすためです。育児や家事、スマホの操作など親指を酷使すると発症します。放っておくと痛みが慢性化し、親指の動きが悪くなることもあります。治療は、まず安静や装具(サポーター)で手首を安静にさせ、炎症を抑える薬を使い、変化が無い時には超音波ガイド下に注射を行います。改善しない場合は手術で狭くなった部分を広げることを行います。1回の注射で効果が出ることが多いですが、症状の程度や反応によって2から3回まで追加します。
ガングリオン
手首や指の関節や腱の周囲にゼリー状の腫瘤ができる良性の腫瘍です。痛みはないことが多いですが、神経を圧迫すると痛みやしびれが出ることもあります。自然に消えることもありますが、大きくなる場合や症状が強い場合は手術で摘出します。
母指CM関節症
親指の付け根の関節(CM関節)が加齢や使い過ぎで変形し、痛みや動きの制限が出る病気です。ものをつまむ、ペットボトルのふたを開ける動作などで痛みが出ます。装具療法や薬物療法が行われ、重症例では手術も検討されます。
ヘバーデン結節
指の第1関節が腫れて痛み、変形する状態です。特に40代以降の女性に多くみられます。変形性関節症の一種と考えられます。遺伝やホルモン、指の使い方などの影響が関与します。初期は痛みや熱感をともないますが、次第に炎症は落ち着き、変形だけが残ることもあります。治療は、テーピングや局所に負荷をかけないこと、鎮痛薬などとなります。女性ホルモン様の作用をもつ「エクオール」というサプリメントが軽症の場合に痛みの軽減に効果があり、試していいかもしれません。また動注療法という手の動脈から薬を注入し、痛みの原因となる「もやもや血管」を減らす治療も注目されています。
デュピュイトラン拘縮
手のひらの皮膚の下にある硬く縮んでいき、指がまっすぐ伸ばせなくなる病気です。手のひらのしこりやひも状の硬結を触れます。特に薬指や小指によく見られます。全体の2から3割くらいの人が進行し、残りの人はあまり進行せず、そのままの状態で生活できることも多いです。進行しても多くは非常にゆっくりと数年単位ですすみます。50歳未満で発症した人、家族にも同じ病気がある人、両手や複数の指に出ている人、糖尿病、お酒・タバコがある人は進行しやすい傾向があります。指が伸びなくなり、日常生活に支障が出てきた場合は、手術や注射などの手の外科の専門の先生による治療となります。
腰
腰椎椎間板ヘルニア
背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで腰痛や足のしびれ、痛みが生じます。特に座っている時や体をかがめた時に痛みが強くなります。保存療法が中心で、薬やリハビリが行われますが、症状が改善しない場合は手術が検討されます。
腰部脊柱管狭窄症
加齢などにより腰の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される病気です。特徴は歩くと足がしびれたり痛くなる「間欠跛行」です。休むと症状が改善するのが特徴です。治療はリハビリや薬物療法が中心で、重症の場合は手術を行います。
変形性腰椎症
加齢による腰椎の変形で腰痛を生じる疾患です。長時間立ったり座ったりすると腰が重く痛くなります。X線で骨の変形や骨棘(トゲ)が確認されることがあります。治療は薬物療法やリハビリが中心ですが、症状が強い場合は手術を考慮します。
腰椎分離症・すべり症
腰椎の疲労骨折(分離)や骨のずれ(すべり)が原因で、腰痛や足のしびれを引き起こします。特に成長期のスポーツ少年や中高年の女性に多いです。治療はリハビリやコルセットを使った保存療法が基本で、症状が強い場合は手術を行うこともあります。
圧迫骨折
主に骨粗しょう症の高齢者に多く、転倒などの軽い衝撃でも背骨が潰れてしまう骨折です。強い腰の痛みを伴い、放置すると背中が丸くなります。治療は安静・装具療法・骨粗しょう症治療が中心ですが、場合によっては手術が必要です。
股関節
変形性股関節症
加齢や先天的な股関節の異常によって軟骨がすり減り、股関節が変形する病気です。股関節の痛みや可動域制限が徐々に進行し、歩行困難になることもあります。保存療法が中心ですが、進行した場合は人工関節置換術が行われます。
大腿骨頭壊死症
大腿骨の骨頭部分への血流が途絶え、骨組織が壊死する病気です。股関節の痛みや動きの制限が主な症状で、原因不明のことも多く、ステロイド薬や飲酒が関与する場合もあります。治療は保存療法や手術療法が選択されます。
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)
スポーツ選手に多くみられる股関節周囲の痛みを総称した疾患です。原因は股関節、恥骨結合、腹筋などさまざまで、慢性的な鼠径部の痛みが続きます。リハビリやストレッチ、筋力強化が治療の中心です。
大腿骨頸部骨折
高齢者に多く見られる骨折で、転倒などが原因となります。歩行困難や股関節の激痛が主な症状です。多くの場合、手術による骨接合や人工骨頭置換が必要となります。骨粗しょう症対策が予防につながります。
股関節唇損傷
股関節の軟骨の縁にある「関節唇」が損傷し、股関節の痛みや引っかかり感が生じます。スポーツによる負荷や形態異常が原因となることが多いです。初期は保存療法で対応しますが、症状が強い場合は関節鏡手術が検討されます。
膝
変形性膝関節症
加齢や使い過ぎによって膝の軟骨がすり減り、膝関節が変形する病気です。膝の痛みや腫れ、歩行障害が進行し、正座や階段の昇降が困難になります。治療は薬物療法、リハビリ、装具療法が中心で、重症例では人工膝関節置換術が行われます。
半月板損傷
膝関節内の半月板が損傷し、膝の痛みや引っかかり感、腫れを引き起こします。スポーツや加齢が原因となることが多く、放置すると関節軟骨の損傷につながります。保存療法が基本ですが、重症例では手術が行われます。
前十字靭帯損傷(ACL損傷)
スポーツ中のジャンプや急な方向転換で膝の前十字靭帯が断裂することがあります。膝崩れや不安定感が特徴で、治療はリハビリや装具療法が中心ですが、スポーツ復帰を目指す場合は再建手術が必要となります。
膝蓋骨脱臼
膝のお皿(膝蓋骨)が外側に外れる疾患で、特に女性や若年者に多く見られます。脱臼時には激痛を伴い、膝に腫れや不安定感が残ります。治療は整復・リハビリが中心で、再発を繰り返す場合は手術が検討されます。
オスグッド・シュラッター病
成長期のスポーツ少年に多く見られる膝の障害です。脛骨(すねの骨)の出っ張り部分に痛みや腫れが生じます。ジャンプや走行などの運動で悪化しますが、成長とともに自然治癒することが多く、保存療法が基本です。
足
外反母趾
足の親指が外側に曲がり、付け根の関節が突出して痛みを生じる疾患です。遺伝や合わない靴が原因とされ、女性に多く見られます。進行すると歩行困難になることもあります。治療は装具や靴の調整、重症例では手術が検討されます。
偏平足(扁平足)
足のアーチが崩れることで足裏全体が地面に接する状態です。疲れやすさ、足裏の痛み、膝や腰への負担につながることがあります。子供に多い先天性のものと、大人になってから発症する後天性のものがあります。リハビリや装具療法が有効です。
アキレス腱断裂
スポーツなどでアキレス腱に強い力がかかり、断裂することがあります。「バチン」という音とともに激しい痛みが走り、歩行困難になります。手術療法か保存療法が選択され、リハビリを通じて回復を目指します。
足底腱膜炎
足の裏の腱膜が炎症を起こし、特に朝の起床時に踵に強い痛みを感じる疾患です。ランニングや立ち仕事の多い方に多く見られます。治療はストレッチや装具療法、薬物療法が中心で、難治例には注射や手術を検討します。
モートン病
足の指の間にある神経が圧迫され、足の指の付け根に痛みやしびれが出る疾患です。ヒールなど先の細い靴が原因になることが多く、歩行時に強い痛みを感じます。治療は靴の工夫や薬物療法が中心ですが、重症例では手術が必要になることもあります。
爪囲炎
足の親指の爪の周りが赤く腫れたり、膿んだりする状態は、爪が皮膚に食い込むことで起こる炎症です。きつい靴や深爪、歩き方のクセも関係します。靴の見直しは当然ですが、1日数回、ぬるま湯に10分ほど浸すことをおすすめします。細菌の感染が疑われる場合は、抗菌の塗り薬、ひどい時は、抗生物質の内服が必要になることもあります。切開・排膿を行うこともあります。炎症がおさまらずに続き、爪への処置が必要な場合は、形成外科受診をすすめます。
リウマチ系
関節リウマチ
自己免疫異常により関節に炎症が起こり、手足の関節を中心に腫れや痛み、変形が進行する病気です。朝のこわばりが特徴的で、進行すると日常生活に支障をきたします。早期診断と薬物療法(抗リウマチ薬や生物学的製剤)が重要で、リハビリや手術を行うこともあります。
全身性エリテマトーデス(SLE)
自己免疫疾患の一つで、関節や皮膚、腎臓など全身の臓器に炎症が起こる病気です。関節痛や発疹、倦怠感など多彩な症状が現れます。ステロイドや免疫抑制剤による治療が中心で、定期的な通院管理が必要です。
シェーグレン症候群
免疫異常により涙腺や唾液腺が障害され、目や口の乾燥症状が出る疾患です。関節痛や全身の倦怠感を伴うこともあります。症状に応じた対症療法が中心で、人工涙液や唾液分泌促進薬を使用します。
強直性脊椎炎
脊椎や骨盤周辺の関節に炎症が起こり、次第に骨が固まっていく疾患です。若い男性に多く、腰や背中の痛み、こわばりから始まります。進行すると姿勢が悪くなります。治療は薬物療法と運動療法が中心です。
痛風
血液中の尿酸値が高くなり、関節に尿酸結晶が沈着して激しい痛みを伴う発作を起こす病気です。特に足の親指の付け根に起こることが多いです。食事療法や薬物療法による尿酸値管理が重要で、発作時は抗炎症薬を使用します。
小児によくみられる疾患
1. ペルテス病(大腿骨頭壊死症)
大腿骨の骨頭部分の血流が障害され、骨が壊死する病気です。特に4〜10歳の男児に多く見られます。股関節の痛みや歩行異常が主な症状で、早期発見・治療が重要です。進行すると関節変形を残すことがあります。
2. 発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)
生まれつき股関節の形成が不十分な病気で、女児に多く見られます。乳児健診での早期発見が重要で、治療には装具療法が用いられます。放置すると歩行障害を残すことがあります。
3. O脚・X脚
成長過程で見られる脚の変形です。通常は自然に改善しますが、重症の場合は成長後も変形が残ることがあります。原因によっては装具療法や手術が必要になることもあります。
4. オスグッド・シュラッター病
成長期のスポーツ少年に多い膝の障害です。脛骨の出っ張り部分に痛みや腫れが生じます。運動による負荷が原因で、成長とともに自然治癒することが多いですが、安静やストレッチが有効です。
5. シーバー病(踵骨骨端症)
成長期の子どもに起こる踵の痛みです。運動時や運動後に痛みが強くなります。原因は踵の骨の成長軟骨に負荷がかかることです。治療は運動制限やストレッチ、足底板が中心です。
6. 斜頸(先天性筋性斜頸)
首の片側の筋肉が短縮し、頭が傾いてしまう状態です。出生後間もなく気付かれることが多く、早期にストレッチやリハビリを開始することで改善します。重症例では手術が必要になることもあります。
7. 小児側弯症
成長期の子どもに背骨の側弯が現れる病気です。原因不明の特発性が多く、進行すると外見や呼吸機能にも影響します。治療は経過観察から装具療法、重症例では手術も検討されます。
8. 単純性股関節炎
股関節に一時的な炎症が起こり、突然の股関節痛や跛行(びっこ)が見られます。原因ははっきりせず、風邪の後などに起こることもあります。通常は自然に改善します。
9. 肘内障
2歳から5歳くらいの幼児に多く、手を引っ張られた時などに、肘の輪状靭帯という部分がずれて、腕を動かさなくなる状態です。95%程度は簡単に整復できる報告されており、すぐに治りますが、まれに整復に難渋して、数日経過をみなくてはいけなくなることもあります。また、骨折などが無いかの確認が必要な場合もあります。病院来院時には、すでに自然に整復されていることもあり、10%程度は来院前に、自然に整復されているとの報告があります。整復されて治った直後でも、手を引っ張るようなストレスが肘にかかると再発することもありますので、注意が必要です。
10. 小児リウマチ(若年性特発性関節炎)
16歳未満で発症する関節リウマチの一種です。関節の腫れや痛みが続き、全身症状を伴うこともあります。早期発見と薬物療法、リハビリが重要です。